障害児の親から健常児の親へ −石井 利香−

 本法人の渕野辺保育園に在園する障害児父母の勉強会は「かめのこ親の会」と言います。もう4年前になりますが、当時のメンバー石井理香さんのグループが中心になり、たくさんのアンケート等をもとに「障害児の親から健常児の親へのメッセージ」という小冊子を発刊しました。

 それをマスコミ各社が取り上げ、以後全国各地から注文が殺到したのですが、やがて大手の出版社がその後の反響を含め、再構成したらどうかという話に広がり、すでに熊本市に転居していた石井さんが苦労してまとめあげ、ここでようやく書籍として店頭に並ぶという運びになりました。朱鷺(とき)書房さんより定価 1、400円(+税)です。

 

反響続々!!

多くの方々からの反響が届いております。一部をご紹介します。

 

「読ませていただきながら、いろいろ考えさせられました。障害児の暮らしや教育に関わる者として心しておかなければならないこと、大切なことがたくさん書かれてありました。親御さんがこれだけのアンケートをまとめ上げ、出版されるまでには、大変なエネルギーとご苦労があったことと思います。

 アンケートの項目もよく考えられており、親御さんの本音を丁寧に引き出そうとしておられますね。本の中から、一人一人の親御さんの生の声が聞こえてくるようでした。統合と分離という相反する立場のどちらかに絶対的に与するのではなく、いろいろな立場や考えを自分の言葉できちんの語っておられるところが、とても印象深く思われました。所々に挟まれた挿絵も的確で、子ども達の表情を生き生きと伝えてくれています。」

−福島 佳子さん−(横浜国立大学教授)

「この度は貴園のご協力の書をお送りください有難うございます。勉強させていただきます。」

−高野 陽さん−(東洋英和女学院大学教授)

ぜひ職員、保護者の方にも読んでもらおうと思っています。

−藤森 平司 さん−(せいがの森保育園園長)

「生命科学を専攻してきました私にとりまして、「障害」を「発生出現率の問題」ととらえておられるところに同感の意を強くしております。感動深く読ませていただきました。」

−原田 康子さん−(和泉短期大学教授)

「このような先進的な試みを何年も前からなされていることに驚きました。多くの声を受け止めながら読ませていただきます。」

−川名 紀美さん−(朝日新聞論説委員)

「障害をもつ子を育てるということ」の中の親の声には心を揺さぶられました。機会があるごとに、多くの方々に紹介し、障害をもつ子と親の理解を深める機会としたいと思います。これまでにこのような本が出てこなかったことを実現させたものとうれしく存じます。」

−村田保太郎さん−(子どもと教育総合研究所長)

「以前にいただきました小冊子も学生やヘルパー研修などに使用させていただき、またゆっくり拝読させて頂きたく存じます。」

−山岸道子さん−(湘北短期大学教授)

貴園の先進的な保育の取り組みをわかりやすく述べており、私にとって大変参考になります。」

−炭谷 茂さん−(環境省事務次官)

 

 

メッセージでメッセージ―障害児の親の気持ちを語る」

 石井利香さんが製本化した本の出発は、3年前の「かめのこ親の会」の小冊子"障害児の親から健常児の親へ"というメッセージです。以後、読んで下さった全国各地の皆様から、多数のコメントが届くのですが、つい最近「メッセージからメッセージ」という別の小冊子が刊行されました。著者は、東京に住む東海林朝子さん、「重心ファミリーサポート研究会」で訪問看護を担当する方ですが、ご自身も障害者のお母さんです。

 「かめのこ親の会」のメッセージを何度も何度も涙して読みながら、それをご自身の体験から整理して、解説する内容です。そして全体的に石井さんが編集した「障害児の親から健常児の親へ」を補完して下さるようなレポートになっています。どうぞ石井利香さんが編集した本と合わせ、この東海林朝子さんの小冊子(300円?*詳しくは著者にお聞きいただければ確かです。)をご一読下さるようお勧めします。  

*重心ファミリーサポート研究会 東海林朝子氏 *東京都文京区小日向3−17−7

*TEL.、FAX 03−5976−8292

 

 

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