社会福祉医療事業団子育て支援基金の事業報告書です
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事業年鑑 |
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1 事業概要
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いま育児の負担感や虐待問題などマイナスイメージが強調される風潮がありますが、”子どもって、かけがえのない存在”であり、しかも”子育てが素晴らしい営み”であるという認識を社会全体が共有することを目指して、子育てを支援する情報活動及び相談活動を活性化させることを目標としています。
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2 事業の実施体制等
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多様な子育て支援サービスを実施するため、水平構造ネットワークによる職員組織体制を機能させていますが、その地域育児センター事業の一環に専任の情報担当、相談担当を配置し、別に委嘱する子育て情報委員、虐待SOS相談ネットワークなど地域資源との連携をさらに強化してまいります。
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3 事業の内容
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多様な子育て支援事業と並行し、専門担当制をシフトした情報活動及び相談活動の充実教化が目標になりました。 そのため、定期的に発刊するミニコミ紙の紙面構成やホームページ「ふれあい情報掲示板」等の活性化を目指し、別に委嘱する「子育て情報委員」定例会の開催、誰もが端末操作によって必要な育児情報にアクセスできるパソコン設置等を重点施策として掲げました。 ちなみに情報を「情けに報いる」と解釈すれば、大量の印刷物や高度なハイテク技術よりも、より日常的なAさんBさんをコーディネートする役割こそ重視すべきことを認識しています。 一方、フリーダイヤルの電話を通じ「虐待SOS相談」等には、そんな深い処まで入っていいのか心配になるほど深刻な相談が増えてまいりました。それらを丁寧に一つ一つ受け入れながら、その気持ちに寄り添うような姿勢を大切にしていきます。 さらに定期的なグループ相談デイでは、具体的な事例をみんなで共有し、追体験であったり、将来起こりうる事例であったり、それぞれの立場で話し合うことから、参加者の表情が次第に活性化しています。 いずれも保育園が有する子ども社会、子育て社会を活かし、エンパワーメントする相談活動に特色があります。
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4 事業の成果等:事業の成果、今後の活動及びフォローアップ
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相談、情報事業いずれも専任の担当を配置しましたので、役割分担が明確化され、専門性、機能性など格段の力量を発揮することができました。 言いかえると子育て支援事業の実施という単層的なライン体制のみでなく、独自の視点を有するスタッフ体制を確保した意義の手応えを感じるものです。 このため、特に「子育て情報委員定例会」や「グループ相談デイ」の活性化が進み、保育園が有するコンピタンスを活かした「子育てステーション」としての弾みをつける処となりました。 また、「子育てポスターコンクール」にも、応募した多数のハイレベルな作品から、ポスター原画となり地域各所に展示する機会を通じ、子育ての素晴らしさを広げ、その悦びを共有する所期の目的を果たすことにもなりました。 こうして本年度、創設した子育て支援に係わる基盤整備を活かし、今後ますます地域が「エンパワーメントする子育て支援事業」の充実強化を目標に掲げてまいります。
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5 自己評価
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渕野辺保育園が全国に先駆けて開拓した子育て支援事業「地域育児センター」は、あれから既に14年もの歳月が経過しましたが、それがいま全国の保育園に広がり、児童福祉法にも「相談その他の支援事業」として位置づけられました。 それらは、保育に欠ける乳幼児を預かる領域を越えた、「助育の姿勢」が求められるものであります。即ち、家庭が育児主体性をもって、親子の相互作用がいきいき活性化するよう援助する領域にありますが、そのためには全保育者の意識改革が前提になるものです。 しかしながら、保育園が蓄積してきた育児ノウハウを開放するといっても、所詮それだけでは限界があると考えます。大切なことは、信頼される地域社会の子育てステーションとなり、人と人、子どもと子どもとをコーディネートする力量にかかっています。 その期待に応えるには、ケアワークとソーシャルワークの二重構造を内包する保育者の質的向上にあります。それゆえ利用者、第三者の視点にたつOJT、QC活動など通じて、自己改革をさらに促進することを目標に掲げております。
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