創設者の初代園長はキリスト者でありセツルメント運動の理念を背景とした「愛の精神」を園の園是に掲げました。
今でも、子どもも保育者も互いに感謝しあう、お祈りしあう和合の心を目指した保育を大切にしています。見えないものに対する「畏敬の念」を持って、
食べ物や、人の親切、手助けに感謝ができる心を自然に持てるようにします。
本園は
熱心な保育教諭が思考錯誤しながらより良くベターな保育を追求し続けています。
一人ひとりの子どもを受容し、共感する保育者、教え込む人ではなく、伴走者としての保育者が常に傍にして子ども達の生活を支えていきます。
愛の園ふちのべこども園の乳児期の育ちにおける大切な姿勢として、「至福保育(しあわせ教育)」を重要な柱に据えています。
観念としての意味だけではなく、実際に2歳児くらいまでは、一切叱る必要性はなく、個々の思い、欲求を十分に受けとめてあげる保育を職員全員で行っていきたいと考えました。
生まれてから間もない乳児時代は、とりわけ、「ジョイントネス」という、それぞれの子どもが周囲の人とくっつきたがる性質を持っています。
生物学的な親(保護者)がいなくても、社会的な意味での親(保育者)という立場に立ち、くっつく対象になっていたいと思っています。
これらを土台に置き、快適な環境の中で、「ゆるやかな担当制」をベースに保育者が保護者の方と同様に愛情、甘えの受けとめをしながら「助育(主体性を大切にした姿勢の保育)」を行って参ります。
その結果、人に対して、自分に対してBasic Trast (基本的信頼感)が確立されていくことを目指しています。
幼児時代は緑、水、土、光、風が十分に感じられる園環境の中で、本能的活動意欲を発揮しながら、探索が思う通りにでき、主体性を持って遊びや活動を選ぶ中で、自己原因性感覚を獲得して生きることができるようになります。
また、マルチエイジクラス(異年齢)の中で、クラスの仲間との重層的な関係を意識し、自己発揮したり、自己抑制をしながら折り合いをつけられるようにすること、困っていたり、助けが必要な仲間に対して、ケアする気持ち、親切な気持ちを持って手助けできるよう「人」としての具体像を後押ししていきます。
例えば、持っているおもちゃや、大切な所有物を「はんぶんこ」できることは簡単なことではありません。これらは向社会性が育っていることで表出する力です。最先端の研究の中では、向社会性の育ちこそ「非認知能力の育ちの核」とも考えられています。
上記のような、「現象学的子ども理解」を保育者は日々の保育の中で進め、子ども達が期待と希望を持ってわくわくする気持ちで、あらゆることに挑戦できること、その中で課題や新奇性を発見できる力を培ったり、創発力を持って自分だけのアイディアを生みだすことが楽しいと思える積極性を身につけていける教育、保育を行って参りたいと思っています。